ワンストップ診療
寺倉クリニックでは、多彩な病気の患者様を同時に診察することにより、患者様の時間的・物理的・金銭的負担を軽減していけるように
努めます。
日帰り肛門手術
当クリニックでは、下記疾患に対して日帰り肛門手術を行なっています。医療の進歩に伴い、以前は入院対応が必要だった症例についても、徐々に日帰りで対応できるようになりました。入院して行うよりも患者様の医療費負担は軽くて済みますし、日常生活への影響も減らすことが出来ます。まずは患者様の状態を見極めてから対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
肛門外科について
肛門外科では、文字通り肛門に生じた病気の治療を専門に行います。具体的には、イボ痔、切れ痔、あな痔などがあります。症状としては、患部からの出血や痛み、脱肛、肛門の痒み、残便感などが代表的です。場所が場所なだけに、なかなか相談に来られず、ひとりで悩んでいる方も少なくないようです。しかし、直腸がん、肛門がんなど、重篤な病気が隠れていることもありますので、恥ずかしがらずにご相談ください。
内痔核(内イボ痔)
内痔核は、肛門の歯状線より内側に生じた痔核です。初期の段階から出血が見られることもありますが、ほとんどの場合、強い痛みを感じること無く進行します。しかし、進行して痔核が大きくなると、脱肛するようになります。脱出も初めのうちは指で押し込めば戻りますが、進行すると戻らなくなり、痛みを伴うこともあります。排便時に脱出し、指で押し込まないと戻らない状態の方は、手術適応があるので手術をお勧めします。手術適応がある患者様でも、痔軟膏や痔内服薬など保存的加療をまず行いその後手術を検討します。保存的加療である程度コントロールできる場合もあるため、必ず手術を行わないわけでは無く、患者様の社会的な状況を考慮し、患者様と相談の上、手術を行います。当クリニックでは下半身麻酔下に痔核切除術(結紮切除術)を行っています。
内痔核の分類・進行度
内痔核の分類 | 主な症状 |
---|---|
Ⅰ度
|
痔核の脱出はない。 痛みはなく、排便時に出血することが多い。 |
Ⅱ度
|
排便時に脱出するが、自然にもどる。 出血があり、痛みも出てくる。 |
Ⅲ度
(手術適応) |
脱出して指で押し込まないともどらない。 |
Ⅳ度
(手術適応) |
指で押し込んでももどらない。 硬くなって痛みも出血もなくなる。 粘液がしみ出して下着が汚れる。 |
内痔核の治療(結紮切除術)
- 下半身麻酔で行います。
- 手術時間は約30分。
外痔核(外イボ痔)
外痔核は、肛門の歯状線の外に生じた痔核です。肛門に強い負担を強いる運動(乗馬・長距離のサイクリング・長時間のドライブ等)をしたり、急に重いものを持ったりした後などに突然血の塊が肛門にでき、腫れて痛みます。大抵はお薬(痔軟膏や痔内服薬)を用いて治療し治りますが、痔核が大きくて痛みが強いものは、切除するか血の塊(血栓)を取り除く場合があります。
痔瘻(あな痔)
肛門腺に大腸菌が入った際に、付近に傷があったり、体の抵抗力が弱っていたりしていると、感染を起こして化膿し肛門周囲膿瘍になります。
肛門周囲膿瘍が進行し、肛門の内外をつなぐトンネルができると痔瘻(あな痔)となります。
痔瘻は、まれにクローン病や潰瘍性大腸炎などの大腸の病気によって起こることもあり、大腸検査が必要になる場合もあります。
痔瘻の原因(発生)
膿がたまってきます
膿が排泄されます
痔瘻の治療(Seton法)
痔瘻は保存的加療では治り難いので、手術を行うことがあります。
主に単純痔瘻に対しての適応としていますが、当クリニックではSeton法を行っています。
Seton法のシェーマを下の図に示します。
①まず痔瘻の瘻孔に専用の輪ゴムを通します
②その後輪ゴムは体が異物と判断し徐々に瘻孔を塞ぎながら表面に浮いてきます(浮いて余ったゴムは外来で切っていきます)。
③最期に完全にゴムがはずれて治癒します。
裂肛(切れ痔)
太い便や硬い便が無理に肛門を通過するために出口付近が切れて生じます。
症状としては、排便時にティッシュペーパーにつく程度の出血と痛みがあります。症状が進むと排便時や後にも激痛が生じます。そのため排便時の痛みのために排便を我慢するようになり、ますます便が太く、硬くなるという、悪循環を繰り返すようになります。
この状態が続くと肛門が狭くなって(肛門狭窄)、便が細くなったり出にくくなったりします。高度の肛門狭窄を伴った裂肛に対しては、肛門を拡張する手術を行う場合があります。
肛門周囲皮膚炎
肛門周囲皮膚炎になると、肛門周りに痒みが起こります。浸出液によって下着が汚れたり、患部がべとつくなど、不快な症状も見られます。主な原因としては、度重なる肛門洗浄、アレルギー性疾患、真菌症、痔核や裂肛などの疾患が挙げられます。多くの場合、日常生活の改善と内服薬や軟膏による処置で治療できます。